本学卒業式 校歌は斉唱なしなど対策

式後の密集「許してほしい」

2021年3月25日

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式典内は、座席の間隔を一席ずつ空けるなど感染防止対策がとられていた

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 本学の卒業式が24日、日本武道館(千代田区)で開かれた。昨年度はコロナ禍の影響で中止だった。本年度は卒業生のみが式典会場に入り、卒業生以外はインターネット上で式典の中継を見ることができるようにした。入場口では検温とアルコール消毒、式典では席の間隔を1席ずつ空け校歌は斉唱せず演奏を聴くのみとするなど感染防止の対策をとった。

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入場にあたっては検温に加えて学生証と誓約書画面の提示が義務づけられた

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式典参加には、サイト上の誓約書で4つの項目(①発熱などの症状がないこと②濃厚接触者ではないこと③館内でのマスク着用義務④式典終了後の会食や飲み会をしないこと)にチェックして送信し、その後送られる確認のメールを入場口で提示する必要がある

 このほかの対策として、発熱などの症状がないことや式典終了後の会食や飲み会をしない旨の誓約書に誓約した卒業生のみが入場できるようにした。

 

 2020年度で任期を終える田中優子総長は、告辞で「最も大切だと思えて、そして後悔しないと思える選択は何か。自由を生き抜くために、人に勧められて決断するのではなく自分自身で決断することが大切」と述べて卒業生を励ました。

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日本武道館の入場口周辺。卒業生が密集していて動くのもままならなかった。こちら側の歩道では、保護者とみられる人たちが学生を見守っていた

 好天に恵まれたこともあり、式典の終了後は記念撮影のために卒業生が入場口周辺に密集した。暗色系のスーツがひしめく中、花柄など色彩豊かな袴(はかま)がひときわ目立った。

 「許してほしい」。密集した卒業生の中にいた法学部の学生がこぼした。「これから地元に帰る友達もいるため、一緒に撮影できるのはこれが最後になるかもしれない」。こう話したあと、大学構内での記念撮影もするために武道館を去っていった。

 同学部の他の学生もこの密集した状況に「しょうがない。止めようもない。一生に一度の機会なんですから」と申し訳なさそうに笑みを浮かべた。

 靖国通りから武道館につながる田安門(たやすもん)前で記念撮影をする6名の卒業生もいた。大学職員が「門の前で撮らないで」と通行の妨げになっていることを注意したものの撮影を続ける学生らに対して「あきれたね」と怒り口調で声を荒げる姿もあった。

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向こうに見えるのが田安門。門に続く道の真ん中はパイロンと警備員、大学職員で仕切られ左側通行となっていた

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「第139回法政大学学位授与式」の横断幕。その横断幕を物憂げに見つめながら卒業生を待つ在校生とみられる姿もあった

 式典には卒業生しか入場できなかったため、スマートフォンで式典の中継を見ながら会場の外で待つ保護者の姿が目立った。

 デザイン工学部の卒業生を待つ50代の母親は「こうしたご時世なのでしょうがない」と肩を落としたものの「娘が卒業してくれて嬉しい」とほほえんだ。

 人間環境学部の卒業生を待つ50代の父親は、式典に「入りたかった」と話したが「学生のための式典だからしょうがない」とこぼした。学生と保護者ともに「しょうがない」という声が数多く挙がった。

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日本武道館から田安門を通り、靖国通りに向かう道の様子。気温は20度ほどと心地よく、青空の下、満開の桜につつまれて多くの卒業生が巣立った

 大学生活を振り返り、法学部の学生は「中止もありうる中、対面での卒業式が開かれたことに感謝したい。やり残したことも多かったが法政での4年間は楽しかった」と話した。

 経営学部の学生は「友達と話すことができてよかった。あっという間の4年間だった」と気恥ずかしそうに笑った。文学部の学生は「もう学生時代が終わった。こんなにも早いとは」と話し、楽しかったキャンパスライフを懐かしんだ。

 人間環境学部の学生は「オンラインの式典ではなく直接友達と会えてよかった」と目を細めた。コロナ禍でオンライン授業が中心だったからこそ、卒業式で友達と顔を合わせて話せた喜びもひとしおのようだった。

(宇田川創良)