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市ヶ谷鉄道研究会 50周年

秩父鉄道で記念貸切運行

2022年4月5日

 2月6日、秩父鉄道武州荒木駅~長瀞駅間で法政大学市ヶ谷鉄道研究会50周年記念貸切運行が行われた。同会ОB・ОGとその家族、現役生の約80名が参加した。当初、この企画は同会が設立50周年を迎えた昨年に実施される予定であったが、新型コロナウイルス流行の影響で延期となり1年遅れての開催となった。
 

 秩父鉄道は、埼玉県の羽生~三峰口間を結ぶ鉄道路線。都営地下鉄6000形などの他社から譲り受けた歴史ある車両が現役で活躍しており、他の鉄道では中々体験できないレトロ感のある車両を楽しめるのも魅力の1つ。 

 

 今回の記念貸切運行に使用されたのは、電気機関車のデキ201号とデキ105号、12系客車4両からなる6両編成の車両。車両には市ヶ谷鉄道研究会50周年記念デザインのヘッドマークが付けられ、参加者にはヘッドマークと同じデザインの記念コースターと記念切符が配られた。 

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デキ105号。「50」の数字と鉄道研究会のロゴが

印象的なヘッドマークが車両を飾る=漆原梓乃撮影

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配られた50周年記念デザインのコースターと記念切符。

記念切符は本学のスクールカラーと同じオレンジ色だった。

 客車は国鉄時代に使用された車両を改装したもので、座席は4人が向かい合って座るボックスシート。風情漂う客車だ。

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客車内の様子。赤いボックスシートが並ぶ=漆原梓乃撮影

 列車は11時12分に熊谷駅を発車し、長瀞駅までの道のりを緩やかな速度で進んだ。道中では、広瀬川原車両基地での停車や貨物列車用線路への入線など、通常の運行では体験することのできない貴重な景色を見ることができた。寄居駅を過ぎると徐々に秩父の山々が近づき、自然豊かな景色が広がる。 

 

 目的地の長瀞駅には13時に到着した。到着後は40分ほどの自由時間があり、参加者は列車を撮影したり長瀞駅周辺を散策したりと思い思いの時間を楽しんでいた。 

 

 長瀞駅から徒歩数分、荒川の川岸には天然記念物の「岩畳」がある。層状の岩石が隆起した美しい地層の模様を間近に見ることができ、実際にその上を歩くこともできる。駅からも近く、秩父の自然に気軽に触れられる絶好の場所だ。

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岩畳と荒川。川沿いに層状の模様がある岩場が続いている

=漆原梓乃撮影

 自由時間終了後、列車は熊谷方面へと折り返し15時半頃に熊谷駅を通過。さらに上り方面の武州荒木駅へと向かった。通常、今回の運行で使用されたような機関車は熊谷~三峰口間での運行がほとんどで、熊谷駅より上りの武州荒木駅まで運行するのは非常に珍しいそうだ。市街地を抜け武州荒木駅に到着すると、目前には広大な水田が広がった。

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武州荒木駅停車中、車内からの景色=漆原梓乃撮影

 しばらくの停車後、列車は武州荒木駅を出発し再び熊谷駅へと戻った。発車後の車内では本学の校歌が流れ、感染対策のため歌うことはできなかったが、本学と市ヶ谷鉄道研究会の歴史が感じられた。 

 

 今回の記念貸切運行について、市ヶ谷鉄道研究会ОB会会長の谷本さんは「鉄道は元々マイナーとされる趣味でした。それでもサークルが続き、50周年を迎えられたことを嬉しく思います。市ヶ谷と小金井の鉄道研究会がこれまで以上に一体となって活動し、より発展していって欲しいです」と語った。コロナ禍での企画実施については「黙食や飲酒禁止などの制限があることは少し残念ですが、参加者の皆さんがしっかりとルールを守って下さったおかげで滞りなく実施できたので良かったです」と述べた。 

 

 また、昭和57年卒業のOBは「コロナ禍で制約がある中でもイベントを開催することができて本当に良かったです。スタッフの皆さんには本当に感謝しています。本当はもっと盛大に祝いたかったのですが、開催されたことだけでも嬉しいです」と語った。 

 

~代表インタビュー~ 

 市ヶ谷鉄道研究会と同会の活動について、同会現代表の竹内知志さん(文学部2年)にも話を聞いた。 

 

―サークルが50周年を迎えた感想を教えてください 

 「サークルが作られた50年前というと、まだ鉄道はJRではなく国鉄の時代です。その時代から長く続いているのはすごいことだと思います。歴史のあるサークルをこれからも守っていかないと、と思います。自分たちの代だけではなく、次の代にも活動を継承していけるように代表として頑張っていきたいと思います」 

 

―鉄道研究会は普段どんな活動をしていますか 

 「今は毎週水曜日にZoomで定例会を開き、部員同士の交流や情報共有をしています。あとは模型運転会です。基本的に学内の教室を借りて鉄道模型を走らせます。ただ、ここ2年はコロナによる活動制限で教室を借りることができなかったため、主に学外のレンタルレイアウト(鉄道模型を走らせることのできる線路が置いてある施設)を利用して実施しました。自分たちで鉄道模型を持ち込んで好きなように走らせることができるので楽しいですよ。春休みと夏休みには合宿もやります。合宿先の土地のローカル線や路面電車に乗って旅行します。北海道や九州とか結構遠いところに行くんです」

 

―竹内さんが鉄道を好きになったきっかけは何でしょうか 

 「鉄道ファンになったきっかけは正直よく覚えていません。小さい時から、気付いたら鉄道が好きで、電車に乗るのも好きでした。鉄道ファンはきっかけがなく始まることが多いのではないでしょうか」 

 

―新入生に向けてメッセージがあればお願いします

 「鉄道研究会と聞くと、部員はすごく鉄道に詳しくて、時刻表を毎日読んでいそうといったイメージがあるかもしれませんが実際は違います。なんとなく鉄道が好きという理由で入会する人も多いです。『なんとなく好き』から活動を通して知識が増えていく感じです。自由な雰囲気のサークルを目指していて、活動への参加は強制ではありません。気軽に来てほしいです。学祭で行う模型運転会などの企画はとても盛り上がるので楽しみにしておいて欲しいです」 

 

(漆原梓乃)

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