top of page

本学トレセン、長期利用制限 

学生「自由に使いたいのに」

2022年4月5日

 昨年12月末、市ヶ谷キャンパストレーニングセンターの利用が体育会と第二体育会に所属する学生に限られるために大学職員から利用を断られた利用者がいる。「自由に使いたいのに」と不満を感じた学生から実態に関する調査の依頼があった。

とれせん。.jpg

現在の市ヶ谷総合体育館トレーニングセンターの様子=安田朱里撮影 

 トレーニングセンターは、感染リスクが高く、重症化の恐れがある新型コロナウイルスへの慎重な判断により、2020年2月から10月中旬まで全学生の利用を禁止していた。トレーニングセンターが地下一階にあり、頻繁に換気できる環境ではなく感染対策が確立できなかったためだ。 

 

 10月中旬以降は、体育会に所属する学生のみ利用が許可された。ただし団体ごとに事前に予約が必要で、団体全員が同じ時間帯で利用できるわけではなく利用人数制限を設けていた。そのため必ずしも部員全員が利用できるわけではなかった。1年7月中旬には第二体育会にも同じ利用条件の下、トレーニングセンターの使用が許された。11月中旬には体育会と第二体育会の学生は団体ではなく個人でも利用が許可され、利用時間は3区分に分けられていたが予約が不要になり規制緩和された。 

 

 約2年間、感染状況に応じてトレーニングセンターを開放していたものの感染拡大状況に伴い何度も開放と閉鎖が繰り返されていた。そして、ようやく22年2月1日以降、厳しい制限は設けられるものの一般学生でもトレーニングセンターが利用可能となった。 

 

 長期間一般学生に利用が許可されなかった理由は2つある。1つ目は、一般学生の感染対策準備が整っていなかったためだ。トレーニングセンターでの感染を防ぐために利用者にはマスクや消毒、一定の距離の維持といったルールを厳守してもらう必要がある。そのため、日々徹底した感染対策指導を受ける体育会、第二体育会が優先的にトレーニングセンターの利用が許可された。 

 

 これらの団体は本学保健体育センターの管轄の下にあり、比較的厳しい制限、感染対策の下で活動している。保健体育センターにより定められた規則以外にも団体独自の自律的制限を定める部も多く組織立って活動している。体育会、第二体育会に所属する学生は保健体育センターへの連絡体制が整っているため本人がコロナウイルスに感染した場合は必ず大学に連絡が届く。その一方、一般学生は感染の連絡が確実に届くか不確かだ。 

 

 2つ目は、トレーニングセンターの利用にあたり感染状況を把握する時間が必要であったからだ。全面的な利用再開の前に体育会、第二体育会といった少数の学生に課すトレーニングセンターの感染対策から段階的な経験を積む必要があった。感染対策の経験の蓄積のために長時間を要した。 

 

 3月現在は一般学生もトレーニングセンターを利用できるが、煩雑な手続きが必要だ。「市ヶ谷総合体育館トレーニングセンター利用の手引き」を熟読した感染への意識が高い学生しか利用できない仕組みになっている。法政大学市ヶ谷総合体育館のツイッターの利用再開の通知により、一般学生の利用が徐々に増加している。 

 

 トレーニングセンターの利用に関する一般学生から大学への問い合わせは年間20件ほどあり、要望が大半を占める。1、2件は利用における不服だが、問い合わせていない一般学生にも不満はある。キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科の2年生は「利用できない期間はその分学費を減らしても良かったのではないか」と口にする。法学部政治学科の1年生は「そもそも大学にトレーニングセンターがあることを知らなかった。一般学生でも利用できるとのことだが、大学に来たついでに立ち寄ることができず、予約があるのが面倒だ」と話す。 

 

 本学保健体育センターは、「かなり長い間、トレーニングセンターを開放できなかったことは申し訳ない。当然残念な思いがある。だが、感染対策を慎重に考えながら学生の安全安心を第一に考えてきたことを理解してほしい。利用再開が遅くなってしまったが是非トレーニングセンターを利用してほしい」と学生に呼びかけている。 

 

学生の目 

 コロナ禍であるためキャンパスライフに制約が生じてしまうことは仕方がない。大学側がトレーニングセンター含め大学の様々な施設の開放に制限を加え、長期封鎖をせざるを得ない状況も理解できる。だが、やはり大学生である以上大学の施設は自由に利用したい。気軽に利用できる状態であってほしいものだ。コロナの早期収束を願う。

(安田朱里) 

bottom of page