都内献血者数減 年約3万6000

「大切な人のため協力を」

2021年 11月 26日

 本学市ケ谷キャンパスでは、自主法政祭期間中の10月29日、30日の2日間にわたり集団献血が行われた。今年は94人が参加した。コロナ禍で献血状況は大きく変わり、昨年度の都内の400mL献血者数は、必要数に約3万6000人分達しなかった。

 東京都赤十字血液センターの山本貴子さんは「『大切な人のため』という気持ちで協力してほしい」と話す。

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献血時の様子。

簡易ベッドに横になって行う

=漆原梓乃撮影

 本学においても毎年集団献血が行われているが、大学祭と並行して実施されるのは今回が初めてだ。2010年から16年のデータだと市ヶ谷キャンパスでは年間平均約300人が献血に参加している。献血前には血圧測定と問診、医師による体調確認、血液検査が行われ、希望者は後日血液検査の結果を無料で受け取ることができる。

 献血で集められる血液の有効期間は4日間~3週間程度しかない。しかし、治療にあたり輸血を必要とする患者は常におり、現在都内では1日あたり約2000人分の400mL献血を確保する必要がある。効率的かつ定期的な血液の確保が不可欠だ。本学でも行われた集団献血は、学校や企業などの身近な場所で実施されるため、一定の血液量を定期的に確保しやすいという利点がある。

 しかしコロナ禍で献血状況は一変した。昨年度、都内では年に約3万6000人分の血液が不足しており、これは前例のない事態だという。関東甲信越地方では各都県で補完しあって血液の供給を維持しているのが現状だ。コロナ禍で外出の機会が減少していることを考慮し、東京都赤十字血液センターでは住宅地やショッピングセンターなど協力が得られやすい会場へ献血バスの出動頻度を増やすなどして献血者の確保に努めているが、集団献血の中止なども重なり献血者の不足は続いている。

 10代から30代の若年層の全国献血者数は年々減少傾向にあり、10年間で約100万人、都内だけでも約1万5000人減少している。今後、日本社会の少子高齢化によって献血者数がさらに減少することが懸念される。

 日本人の死因第一位はがんだが、がん治療には輸血を必要とする場合が多いという事実はあまり知られていない。献血は私たちが想像する以上に重要だ。

 山本さんは「『怖い』『貧血になりそう』というイメージから献血を避ける方が多い印象がある。いつか家族や友人など大切な人が輸血を必要とする場面が訪れるかもしれない。服薬などにより献血できない方もいるが、怖いというイメージだけで献血を避けているなら『大切な人のため』という気持ちを持ってぜひ一度協力してほしい」と話す。

 (漆原梓乃)