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MDAP 開講、全学生対象

想定超える履修者数

2022年3月7日

数理・データサイエンス・AIプログラム(MDAP)が2021年度秋学期から開講した。秋学期から開講した経緯は授業形態などの議論に時間を要したためだ。 

 

 「数理・データサイエンス・AIプログラム(MDAP)はグローバル・オープン科目などと同様に、所属している学部・学科の専門性と連携を図りつつ、自分自身の興味・関心に応じて履修できるプログラム。 

 経営学部の児玉靖司(こだま・やすし)教授は「昔から統計学の先生がいた。マーケティングやファイナンスといった名前で「データサイエンス」と呼ばれていなかったが、授業自体は元々あった。それを全学に公開するという意図。統計学とAIは似たようなことをやっているが違う。統計学は少ないデータから全体を推定。AIはビッグデータから推定する。AIやプログラムなどに関しては新たな知見を得た。基本的には経営・経済でやってきたことを参考にしつつ、新たなプログラムを設定した」と述べた。 

 情報科学部(MDAP準備委員長)廣津登志夫(ひろつ・としお)教授も「いわゆる文系の講義を担当する数理の先生に留意していた。理系の教員が理系の観点から到達点を考えて作るのではなく、多くの学生が学習に苦労しないレベルで組み立てを考えた」と同意した。 

 MDAP科目の授業の形式はフルオンデマンド方式である。この授業は市ヶ谷・多摩・小金井キャンパスの全学生が対象だ。よって3キャンパス共に、授業時間が異なっており、その時間に合わせることが非常に困難になる。そこで、フルオンデマンド方式を採用すると、いつでも、どこでも授業を受けることができる。教授側にとっても、メリットが大きい。 

 廣津登志夫教授は「教員から見るとどの時間で受けてもらうか考えなければならない」と語った。また、映像にすることによって、何度でも見直すことができるという学校側と学生側の双方の利点を考慮した結果となり、フルオンデマンド方式となった。学生同士でコミュニケーションを測れないなどというデメリットを解消するために、T・A(ティーチング・アシスタント)の設置数を増やすなど、対策を講じた。 

 数学における基礎的な学力を導入しているため、全学年の対象であった。当初はデータサイエンス入門A、データサイエンス入門Bと共に定員100人ずつを想定していたが、想定より大幅に超え、Aには履修希望者全員の806人、Bには履修希望者716人の中から抽選を行い300人の学生が履修した。今後の定員は未定。 

 MDAPの将来的展望として、理工系であれば、プログラミングや画像解析を結びつけるように、専門科目とデータサイエンスの結びつきを強化するために、「豊富な事例紹介で専門教育との有機的な連携を図る」としている。そして、データサイエンス入門を基礎として来年度からは応用科目も開講予定。来年度から履修するであろう1年生や受験生に対し、MDAPの担当者は「法政大学ならではの多様な学びを提供できるように、自身の興味に限らない、気候変動のような答えのない現実の課題にも取り組めるよう能力姿勢を身に付けて欲しい」と語った。また、児玉・廣津両教授は「我々も手探り状態。全学でのフルオンデマンドなど、学生にとって難しかったのではないか。しかし来年も多くの学生に受講して頂いて、改善していきたい。学生と教員で授業を作りたい」と展望を語った。 

                                                                                                                 (氏家大希・濱田倫成)

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