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メトロボランティア再開

コロナ禍経て、5年目

2022年3月7日

 コロナ禍で休止していた、本学学生による飯田橋駅でのボランティア活動が21年10月末、約1年8か月ぶりに再開した。駅での活動を休止した期間中、ボランティア登録をしている学生らはオンライン交流会や清掃ボランティアを行うことで、活動を続けた。21年11月には5期生となる新たなメンバーを募集し、たすきをつないでいく。 

本学学生による東京メトロ飯田橋駅での道案内などのボランティア活動=本学ボランティアセンター提供.JPG

​本学学生による東京メトロ飯田橋駅での道路案内などのボランティア活動=本学ボランティアセンター提供

 「東京メトロ飯田橋駅ボランティア」は、東京メトロ飯田橋駅構内で、困っている人への声かけや道案内、利用客が危険な目に合わないようにする見守りを行う活動だ。東京メトロと本学が連携して2017年から続いている。新型コロナの感染拡大の影響で、20年3月から駅での活動を休止し、21年10月末に活動を再開した。 

 活動に参加するには、ボランティアセンターで申し込みをしたうえで、研修会に参加する必要がある。研修では座学と実技によってコミュニケーション能力の必要性と介助技術の基礎を知る、サービス介助基礎研修を受講する。研修の開催は年に1度で、今年は11月13日に開催。当初は例年6月に開催していたが、昨年と今年は新型コロナの影響で秋に実施した。 

研修参加後は各自の都合のよい日に活動を行うが、初めてで不安な場合は経験したことのある他の学生とともに行う。 

 21年10月時点で活動に登録している学生は約20人。ほとんどが市ヶ谷キャンパスに通う学生で、小金井キャンパスから参加しているのは3人、多摩キャンパスから参加しているのは1人だ。ボランティアや鉄道への関心から参加を決める人が多いという。 

小金井キャンパスのリーダーを務める理工学部3年の茂木巧麻(もぎ・たくま)さんと、多摩キャンパスのリーダーを務める経済学部3年の田中海翔(たなか・かいと)さんは、19年6月から活動に参加している。ともに、活動への参加の動機は鉄道への関心からだが、実際の研修やボランティア活動では、当初の予想とは違う経験も得られたという。田中さんは「もとはボランティアより鉄道に興味があり、大学からのメールを見て、やってみたいと思った。今は楽しんでボランティア活動をしている。サービス介助基礎研修を受けてから、周りに目を配る機会が多くなった」と話す。 

 茂木さんは「鉄道界に興味があった。鉄道に関わることをしたくて、それができてよかった」「研修会を通して学んだことを、日常生活にも生かしている。駅で人に話しかけることのハードルも下がった」と話す。普段は小金井キャンパスに通うため、飯田橋駅での活動は休日などのまとまった時間がとれるときに行う。 

 田中さんは21年10月に駅での活動が再開すると、すぐに飯田橋駅に立った。「前回の活動から期間が空き、どうアプローチすべきか迷ってしまった。感染対策という面でも声をかけることをためらってしまう」と活動再開時の心境を話す。 

 新型コロナの影響により駅での活動ができなかった20年3月から21年10月までの間は、これまで月に一度開いていた定例会もなくなった。ただ、新入生を主な対象としたオンライン上での交流会を2回行い、学生間の関係を築いた。他にも、20年9月にオンライン上で、「鉄道会社が取り組んでいる福祉」というテーマの意見交換会を行い、21年10月には、同じくボランティアセンター内に籍を置く学生団体「VSP(ボランティア支援プロジェクト)」と協力して「飯田橋駅周辺散策&清掃ボランティア」を実施した。駅での活動ができない中、別の形で活動の継続を試みた。 

 メトロボランティアの活動は5年目を迎える。活動の継続について、茂木さんは「東京メトロ飯田橋駅でのボランティアということで、活動は比較的限定されてしまう。その点で新しい人を呼び込むときに苦労がある」と話す。田中さんはコロナ禍の経験を生かし、「清掃などの他のボランティアをやりながら、メトロボランティアも知っていただくという形で、活動の幅を広げつつ後継者を集められたら」と話す。年に1度の研修に参加しなければ活動を始められない点も、他の活動とは異なるところだ。田中さんは「研修を受けるまで駅での活動はできないが、メトロボランティアに籍だけ入れて交流したい、という場合もぜひボランティアセンターに来ていただきたい。臨機応変に対応したい」と笑顔で話した。     (髙橋克典) 

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