オレンヂカラー

第1046号

日常生活の中に、いつもアバターがいる街づくりを。今年10月、ANAホールディングス株式会社が、アバターロボットnewmeと、その運用基盤となるサービスAvatar‐inを発表した。ANAはnewmeの普及について、来年の夏までに1000体以上の普及を目指すとした。▼newmeは、タブレットほどの大きさの画面や音響装置を持ち四輪で移動する機械。サイズはS、M、Lの三通りで、高さはSが1㍍、Mが1・3㍍、Lが1・5㍍ある。設置のしやすさを考え、重量はどのサイズも15㌔前後で、折りたたみもできる。操作はパソコンやスマートフォンからでき、移動と通話を同時に行えるため、他の通話アプリとは異なり周囲に存在感が伝わるのが大きな特徴だ。▼newmeのようなアバターロボットの登場は、今後移動の概念を変えていくだろう。遠方に滞在していても、家族と共に時間を過ごせる。入院中で外出できずとも、水族館やショッピングモールへ行ける。いまだかつてない「瞬間移動できる社会」が現実になろうとしているのだ。▼「世界に航空機を利用する人はわずか6%に過ぎない。残りの94%の中には、病気などの理由で航空機を利用できず、遠くへ行けない人がたくさんいる」。航空会社であるANAが瞬間移動の技術を開発するというのは、航空機の存在そのものを否定するようなことであり、何とも皮肉な話に思える。しかし、移動に携わるANAだからこそ、物理的な制約を超えた、新時代の移動手段を提供できたのではないだろうか。「アバターの社会インフラ化を通じて地球規模の社会課題解決に挑み、全ての人が生き生きと暮らせる社会の実現を目指す」。ANAは今後の展望をこう語る。未来社会における「新しい私」とは。新技術を前にして、10年後の自分を思う。(木村優吾)

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