留学生インタビュー

アジアの視点から

 法政大学は、グローバルポリシーの基本理念に「世界に開かれた大学」「市民に開かれた大学」「多様な知に開かれた大学」を据え、「持続可能で平和な地球社会の構築に貢献する大学」を目指して、国際交流を進めている。今年の在籍留学生数は、交換留学生、日本語教育プログラムの受講者も含めて604人。中でも中国をはじめとする東アジア諸国からの留学生は527人と群を抜く。彼らの意見に耳を傾けることで、今後の法政大における国際交流はより充実したものになるだろう。

 日本のゲームやアニメ、文学に興味を持って日本に来たという、中国の瀋陽からの留学生は、新海誠さんの作品を扱う授業を受講したり、ドラマ「ごめんね青春!」のロケ地である静岡県三島市に訪れたりと、大学生活を楽しんでいる。彼は日本に来てまず、空の青さや桜の美しさに驚かされたと語る。彼の出身地である瀋陽は、工業化の影響で大気汚染が進んでおり、マスクを着用しなければ外出すらできない場合もあったという。最初は、日本語で行われる授業やレポートに苦労することが多かったそうだ。特に日本語で行われる英語の授業は、英文和訳は授業内で行うものの、その和訳文を自分で中国語訳しなければならないため、かなりの労力を要する。法政大の設備に関しては、多くの生徒同様、食堂やコンビニの混雑には悩まされているようだ。また、支えになる中国語の先生がいてくれれば助かると語った。

 台湾出身の留学生は、オーストラリアの大学に進学し、さらに日本に留学した。彼女は実際に日本の環境や文化を体験することで、日本での就職を検討している。法政大ではやはり混雑に驚いたそうだ。オーストラリアでは、並ぶことはあまりなく、どこに行っても空いていたため、より衝撃的だったようである。また、口座開設や賃貸契約の複雑さには苦労したという。大学のITシステムに使いにくさを感じることもあるようだ。法政大の設備には満足しているが、強いて言えば緑を増やして欲しい、と彼女は語る。

 日本に親戚がいるという中国からの留学生は、父が裁判官であることから法学部を志望したそうだ。歴史ある日本の民法と、法政大の「自由と進歩」というスローガンに魅力を感じ、留学を決めたという。彼は法政大における経済的支援の充実や、ハイレベルな授業内容に満足している。しかし、その一方で、国際的知名度の低さには、海外への情報発信の不足を感じるようである。彼も複雑な手続き関係や、文法にこだわる英語の授業にはやはり苦労しているという。また、Gラウンジのような、英語圏の留学生と英語でコミュニケーションをとる場だけでなく、もっとアジア系の留学生や、日本の生徒も立ち入りやすい国際交流の場が欲しいと語った。彼は日本人の内と外をはっきりと分けるものの考え方に衝撃を受けた。「日本人は多元化に納得していないように感じます。民族や血縁で人を区別するのは、もはや未来志向でありません。もっと外国人やセクシャルマイノリティを受け入れるべきだと思います」。

 三人の学生の、留学して感じた事や考えたことは三者三様である。しかし、多くの留学生に法政大での大学生活に満足してもらうことで、国際交流は充実し、法政大は「世界に開かれた大学」に近づく。そのためにも、今後はより多くの留学生の意見を聞き入れ、実現していくことが必要とされるだろう。(伊藤木の実)

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