コロナ禍での学生支援

今後の方策は

2020年11月25日

 新型コロナウイルスの流行開始から、約半年がたった。社会状況の変化に伴う家計状況の悪化、オンライン授業など、学生への負担が著しい。本学は学生に対し、どのような支援を行っているのか。他大学の学生支援の現状はどうなっているのだろうか。

本学奨学金の申請・採用者数

 コロナ禍において特設された二つの奨学金についてその概要をまとめる。一つ目は「新型コロナウイルス感染症禍に伴う(家計支持者の)家計急変奨学金」だ。給付額は上限50万円で、家計状況によって支給する金額が異なる。対象者は「主たる家計支持者が家計急変となった学部学生」で、厚生課によると、春学期の申請者数は260名、採用者数は222名だった(図)。二つ目は「(アルバイト学生のための)新型コロナウイルス感染症禍に伴う緊急支援奨学金」だ。影響の度合いで10万円、もしくは5万円が給付される。対象者は「2020年4月・5月の2か月間の学生の合計収入が、2020年1月・2月の合計収入に比べ、10万円以上減額または5万円以上減額した学部生」で、厚生課によると、春学期の申請者数は1207名、採用者数は760名だった(図)。厚生課の高橋尚人課長は、二つの奨学金について「受給資格を満たしている学生について全員採用された」と説明する。なお、両奨学金は「新型コロナウイルス緊急対策奨学基金」に集まった約1億5000万円に上る寄付金が原資だ。


 また、従来から本学が独自で行っている奨学金制度では、全ての奨学金を合わせて申請者が1208名、採用者は268名だった(図)。


 奨学金以外での学生支援はどうか。オンライン授業のサポートとしては、PC(336台)、ルーター(950台)の無料貸与、通信容量増設補助(243名)が無料で行われている。さらに、学内雇用の拡大や授業支援アシスタント制度、ピアサポートによる学習支援制度の採用枠の拡大を行うことにより、学生の負担軽減が行われている。


 他大学でも学生支援は行われているが、大学によってその色が異なる。例えば、専修大学(東京都千代田区)では「通信環境及びプリントサービス支援金(1万5000円)」を在学生全員に支給し、家計が急変した学生に20万円を上限とした支給を行っている。明治学院大学(東京都港区)では、オンライン授業への負担軽減策として在学生に対して一律5万円を支給しているほか、アルバイト先を失ったり、家計が急変したりした学生に対し「新型コロナウイルス感染症対応給付奨学金」の新設(一律40万円)による支援を行っている。この二つの大学は、現金支給は行ったものの、PCやルーターの貸与は行っていない。このように、在学生に一律給付金を支給する大学もあれば、本学のようにPCやルーターなどの無料貸与に力を入れる大学もある。コロナ禍における学生支援制度には大学によって差異があるようだ。


 厚生課の高橋氏は今後の学生支援について次のように述べる。「奨学金に関しては、コロナの家計への影響が長引くことも予想される。春学期の時点では持ちこたえた事業者が、秋になって厳しい状況になっているという話も聞こえているため、2回に分けて募集を行っている。この状況がいつまで続くのかが不透明なため、来年度の春学期までも見据えた支援について考えていく必要を感じている」。

(浦田涼平)

◆◇記者の目◇◆


 本学学生の「コロナ奨学金」の認知度について調査を行った。知っている人と知らない人の数が約半々といった印象だった。知っている側の意見として「名前は聞いたことがある程度。コロナ奨学金の制度があるという予想はできるが、具体的なことは一切知らない」「奨学金の制度自体は知っている。しかし、手続きが大変そうで応募する気になれなかった」などの意見があった。また、知らない側の意見として「他大学の奨学金はニュースで耳にしたことがある。法政のコロナ奨学金は知らなかったし、受け取りはハードルが高そう」「ほかの団体の奨学金を借りているため、法政の奨学金に関して調べたことがない」などの意見があった。


 これらのコメントは的を得ていると感じた。コロナ禍の奨学金の申請者数はおおよそ1000人。在学生が約3万人のため、申請者は学生数の約300分の1。並行して申請する学生もいると考えれば、実質的にもう少し数は減るだろう。その他に国主導で行われる奨学金などがあるが、申請者数は少ない。その要因として、奨学金は「申請が大変そう」「ハードルが高そう」のような印象を持たれやすい点が挙げられる。Hoppiiやメールでも応募の呼びかけがあり、それによって、奨学金の存在をアピールできるかもしれないが、それだけでは奨学金に対する印象は変わらない。奨学金の手続きは確かに必要不可欠ではあるが、学生のために手続の簡略化を進めるなど、大学当局としてもできることはまだまだあるように感じた。

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