【多摩】学内での屋外避難実証実験

2回目の本年度は学内で宿泊も

2020年11月8日

 本学多摩キャンパス(東京都町田市)で10月31日から2日間、水野雅男教授(現代福祉学部長)による本学と東京都との共同事業「CAMP in Campus for well-being」の実証実験が行われた。2016年の熊本地震でアルピニストの野口健氏が避難所にテントを設営した実例に関心を持った水野教授は、既存の避難所生活ではなくテントを使った屋外避難の可能性を研究している。その研究が東京都と大学との連携として実施する「SDGsの推進と持続可能な都市・東京の実現」に向けた共同事業のうちの一つとして採択された。今回の実証実験は昨年度に続いて2回目の開催、東京都との共同事業として決定してからは初めての開催となった。今回は東京都内を中心に子供連れの7家族が集まり、現代福祉学部棟(17号館)と社会学部B棟(5号館)の間にある芝生広場「ひだまり広場」でテントを設営し、一夜を明かした。

芝生広場で設営されたテント
=東京都町田市、2020年11月1日、西森知弘撮影

 都内から参加した佐野さんは「主人(佐野浩祥東洋大学教授)が水野教授と共同研究しているのがきっかけで参加した。以前地方に住んでいた時と比べ、都内ではキャンプ場の予約がなかなか取りづらく、キャンプが出来なかった。今回の企画は大学内でキャンプできるということで驚きだった。多摩キャンパスでのキャンプはテント同士の距離も離れ、プライベートが守られている。子どもも1週間前にけがをしたことを忘れたかのように遊び回っている。災害時でも場所さえあれば道具を持っていってキャンプをしたい」と話した。

 水野教授と共同研究している坂村圭氏(東京工業大学特任助教)は「今回が初めてのキャンプでテントを二つ設営した。一つ目は取扱説明書を見ても90分かかったが二つ目は慣れたのか説明書無しでも30分ほどで作ることができた。今回のキャンプで法政大学のカラーを感じた。東工大でキャンプするときは先進的な建物に囲まれた東工大のカラーを感じることができるだろう。それは観光資源につながるかもしれない。災害時にもテントを張ってみようと思うが、テントに不慣れな避難者同士で助け合えるかが、今後の課題」と話した。

 参加者した7家族のうち、3家族は卒業生。卒業以来の多摩キャンパスでキャンプを楽しんでいた。昨年度と同じく大人の参加者同士のコミュニケーションの取り方にぎこちなさがあったが、垣根なく遊ぶ子どもを通じて大人同士も円滑なコミュニケーションを取れるようになったとの参加者から意見があった。水野教授も「子供の歓声が広場じゅうにこだましたのがよかった。今回の実証実験は自治体の避難計画を変える第一歩。多摩キャンパスでCAMP in Campus for well-beingのシンポジウムを行うときにも芝生でテントを張り、シンポジウム参加者に実際のテント生活に参加してもらえたら」と話した。

(西森知弘)

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