活動自粛の中 課外活動は
VSP オンライン意識した転換
2020年10月2日


オンラインで活動を行っている様子と新型コロナが流行する前の活動の様子=齋藤真悠・代表提供
秋学期が始まったが、9月28日現在本学は原則として学内での課外活動が停止している。大学が許可した一部の活動のみ可となっている今、どうすればよいのか。対面からオンライン企画への転換を行い、コロナ禍でも活動ができている本学のVSP(ボランティア支援プロジェクト)に取材した。
「VSP全体としてモチベーションは下がっていた」。そう話すのは齋藤真悠・代表(文学部3年)。新型コロナの影響で3月まで練っていた企画がすべてお蔵入りになったからだ。企画の中には、米ベイラー大学の学生と一緒にボランティア活動をするものも含まれていた。例年行っていた富士山の清掃活動も中止となった。
VSPはサークルとは異なり、ボランティアセンターの職員と協力して行うものが多い。4月は学生だけで会議をし、オンラインの活用に向けて試行錯誤を重ねた。6月に入り職員の忙しさが落ち着いたころには職員を交えて話し合いを進めた。しかし対面の企画をオンラインへ転換することは、口で言うほど簡単なことではない。
本格的にオンラインで活動したのは9月12日と23日に行われた「インクルーシブデザイン講座」だった。このコロナ禍では人間関係を新たに築くことが難しい。企画を立案するにあたっては、昨年からつながりのあった人を中心に進めた。「先輩がつながりを築いていたおかげだ」。過去に招いた講師を呼び、学生とともにワークショップをオンラインで行った。初めての試みだったが、成功させることができた。

例年行っている富士山の清掃活動も、コロナの影響で活動が難しくなった=齋藤真悠・代表提供
藤山雄多・前代表(法学部4年)は「一つの活動を掘り下げた」と語る。ツイッターなどのSNSを活用し、活動の宣伝を行う。オンラインの活動では、VSPに限らず他の学生にも協力をあおぎ、7月に「はじめの一歩カフェ」を設けた。ステイホームでも会話ができる場所をつくった。「フードバンク」や「レジ袋の有料化」などの議題を一つ定め、30分程度話し合う。同会は1カ月に1回程度開催され、参加者は10人を超えた。
今後もオンラインへの転換を進める。パラリンピック正式種目の「ボッチャ」という球技や楽器の演奏などのオンライン化を視野に入れている。新しい日常ならぬ「新しい課外活動」が必要となる今、どのように進めていくのか注目だ。
(宇田川創良)