オレンヂカラー(1050号)

2021年 11月 8日

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 衆議院総選挙の投開票が10月31日から行われる。昨今の投票率低下を受け、有権者に投票を促す興味深い取り組みが各所で行われているようだ。その一つが「選挙割」である。選挙割は、選挙へ向かう人を少しでも増やすことを目的とする、ここ最近始められた取り組みだ 

 

▼選挙割とは、自身が選挙に行ったことを示す「投票済証明書」か、投票所と自分が写った写真を提示すると対象店舗で特別なサービスが受けられる、というもの。主に飲食店や喫茶店で実施されている。サービスの種類は、コーヒーやソフトドリンクが一杯無料になるものから、グッズが貰えるもの、会計時に一定額の割引がされるものなど様々だ。また選挙割は、飲食店以外にも温泉や衣料雑貨、デパートなどで実施されている 

 

▼実は、選挙割は前回衆議院総選挙が行われた際にも実施された。その際に選挙割を実施した店舗は全国で500店舗ほど。そして、今回選挙割を実施する店舗は2000店舗以上。前回の選挙時の4倍近い店舗が実施することになる。選挙割はまだメジャーな動きではない。しかし、この取り組みはマスメディアやSNSを介して確実に広まりつつある 

 

▼総務省によれば、前回2017年に行われた衆議院総選挙の投票率は53%で、前々回の2014年は52%。投票率は横ばいで、やや低い水準で推移している。特に低いのが20代の投票率で、過去二回とも30%前後を記録した。投票という形で政治へ参加する人が少ない今の状況は、組織票を使う者を有利にする。それはつまり、人々の意思が政治に影響を与えにくくなるということでもある 

 

▼選挙に際したキャンペーンで投票率を改善しても、根本的な解決にならないという声もある。確かに、選挙に行ってもらうことより、政治に対して興味・関心を持ってもらうことの方が大切だ。しかし、それは投票率を上げることよりもはるかに難しく、時間のかかることでもある。今まで選挙へ行かなかった人がふと「選挙へ行こうかな」と考える。そんなきっかけを一つ一つ増やしていくことが、今私たちにできることなのではないか。

(木村優吾)