一部留学生、入国できず

不利益受けないよう配慮

2021年 11月 8日

コロナ禍で入国できず、不満を抱える留学生は数多い。本学では、留学生が不利益をこうむらないよう、2020年度から対面とオンラインを組み合わせた授業を始め、試験もオンラインで受けられるようにした。しかし思い描いていた留学生活と、現地で留学できない現実とのギャップに苦しむ留学生もいる。

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​大内山校舎にあるGラウンジ。

コロナ前は留学生で賑わっていた

=安田朱里撮影

 授業は、対面とオンラインを組み合わせたハイフレックス方式やハイブリッド方式などを導入している。入国できず対面で参加できない留学生が不利にならないよう教員が工夫をこらす。しかし、オンラインをどのように活用するかは各教員の裁量に委ねられているため、その内容はまちまちだ。試験は原則として、対面式にせずオンラインで試験を実施する。しかし、やむを得ず対面にする場合には、入国できない外国人留学生や配慮が必要な学生には、レポートに代替するなどして対処している。 

 

 入国できない留学生に向け、本学では韓国留学生会、中国留学生会などが外国人留学生の交流会をオンライン上で実施した。派遣留学、短期語学研修、国際インターンシップ・ボランティアなどの各種プログラムの説明会をオンラインで実施するとともに、派遣留学参加学生の体験談発表・座談会、海外留学と就職活動の両立に関するガイダンス、E‐タンデム、サムスン電子Marketing Workshop、HUBs、法政グローバルデイ2021といったイベントも実施している。 

 

 しかしコロナの影響で中止となったイベントもある。日本の学生が留学生の日本語の文法を修正したり、スピーチの仕方を伝授することによって交流を図るイベントである留学生スピーチコンテストは、対面でなければ実施が難しいという判断により中止した。留学生と研究者、教員の飲食を伴うパーティーである年末懇親会や、交換留学生のウェルカム・フェアウェルパーティーといった集団感染のリスクのあるイベントは当然に中止している状況。 

 

 本学は国際化に力を注いでいる。留学生の数は2010年は422人であったが、2020年には1049人、2021年は1073人とコロナの影響下においても、学位取得目的の学部生や大学院生ともに増加している。コロナ禍の2020年度に実施した2021年度留学生入試では志願者数が大幅に減少したものの、コロナ前に実施した2019年度、2020年度入試と同じ水準の合格者、手続き者となった。留学生の約9割が中国人と韓国人である。今年度は16か国から留学生が集まっており、特に韓国在住韓国籍の志願者が年々増加傾向だ。留学生が一番多い学部は経済学部であり、一番少ない学部はスポーツ健康学部だ。 

 

 外国人留学生からグローバル教育センターへ留学を取りやめたいという相談はないという。昨春に入学して直ぐに休学する留学生は11人であったのに対し、今年は現時点では0人だ。しかし、新型コロナの影響で、思い描いていた留学生活とのギャップに苦しむ留学生もいる。経営学部経営学科1年生の韓国の留学生、キム・ユジュンさん(仮名)だ。 

 

 キムさんは、2021年3月18日からの新規外国人入国制限で日本に行けなくなり、当初望んでいた留学生活が送れなくなった。合格後、都内のマンションを探した。初期費用である保証金、礼金、1カ月目の家賃を支払った。しかし、いまだに入国制限は解除されず、住んでもいないマンションの家賃8万円を現在も支払い続けている。本学の施設やサービスを全く利用できないにも関わらず日本の学生と同じ入学金含め131万5000円を学費として納めている。 

 

 「留学で一番重要なことはその国に直接行って多くの人と触れ合いながら文化を肌で感じることだと思う」。留学生は現地の言語を使わなければならない。留学先の国の文化を知る機会も増え、コミュニケーションが自然にとれるようになる。しかし、現在の留学生たちはそれを全く経験していない。「もはや『留学』生ではない」。 

 

 友達とたくさん交流したかったキムさん。ツイッターやラインなど会員制交流サイト(SNS)を利用して、多くの本学の学生にメッセージを送り「友達になりたい」と言った。「みんな、快く受け入れてくれたため最初はとても嬉しかった」。だが、自分よりも先にメッセージを送ってくれる人は全くいない上、返事もあまり来ないことが大半だったそうだ。「やはり会ってもいない人は重要だと思ってもらえない。『友達』と呼んで良いのかもわからない」と不安を口にする。

(安田朱里)