​新中央広場 1月に竣工

キャンパスを軸に一体感

2021年9月11日

 2021年1月末、本学市ヶ谷キャンパス(東京都千代田区)に新たな中央広場(正式名称:キャンパス中央広場)が竣工した。新中央広場の完成によって、キャンパスに軸が創出され移動が容易になった。周辺環境との調和や歴史を継承したデザインなどの工夫もみられる。2014年3月に開始した大規模工事は、今年1月の広場竣工をもって完了した。 

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新たなキャンパス中央広場=田谷泉撮影

難点克服し開放的なキャンパスに

 新中央広場の工事は、新型コロナウイルスの感染対策を徹底したうえで進められ、今年1月に竣工した。本学施設保全部よると、当初の開発計画や竣工時期からの変更点はないとしている。広場の工事が始まったのは2019年4月。2018年度までの授業で使われていた55・58年館の解体工事と同時に行われた。

 市ヶ谷キャンパスは傾斜地にあるため、中庭の活用が難しい。傾斜地による高低差を富士見ゲート下の階段に集約することで、狭いキャンパスをできる限り活用できるようにした。富士見ゲート下の階段は、イベント時に観客席のようにして活用する。

 広場には学生の憩いや賑わいの場所となるようにベンチは20個と多めに配置した。富士見ゲートの学生ホールや食堂「つどひ」の中庭側テラス席では、本工事の完成によって今までよりも中央広場の眺めを楽しめるようになった。

 本学施設保全部は「以前よりも開放感のある明るいキャンパスとなり、学生にとっての憩いの場も増えたのでは」と話す。都市型で狭い市ヶ谷キャンパスを広く見せる効果もあるという。

富士見ゲート下の階段は、イベント時に観客席のようにして活用する。

 場には学生の憩いや賑わいの場所となるようにベンチは20個と多めに配置した。富士見ゲートの学生ホールや食堂「つどひ」の中庭側テラス席では、本工事の完成によって今までよりも中央広場の眺めを楽しめるようになった。

 本学施設保全部は「以前よりも開放感のある明るいキャンパスとなり、学生にとっての憩いの場も増えたのでは」と話す。都市型で狭い市ヶ谷キャンパスを広く見せる効果もあるという。

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創出された「一体感」

​ 新中央広場の完成で、キャンパスに一体感が生まれた。これまで分断されていた市ヶ谷キャンパスに、富士見坂門―富士見坂庭園―中央広場―正門をつなぐキャンパスの軸ができたからだ。新中央広場は各校舎に囲まれる形で完成したため、一度広場に出ればそれぞれの校舎へ簡単にアクセスできるようになった。2019年度以前に問題となっていた、特定箇所での混雑は根本的に緩和される見込みだ。

キャンパスの軸のイメージ=当局提供

中央広場は可能な限り平らにし、外濠校舎の2階とボアソナード・タワー、富士見ゲート、大内山校舎の各1階が同じレベルで行き来できるようにしたことでバリアフリーに配慮した。本学施設保全部は「富士見ゲート3階と大内山校舎3階を連結している連絡通路は、まだ利用者が少ないように思う。今後、利便性の良さが知られることにより利用者が多くなることを期待する」と語った。

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風の流れのイメージ=当局提供

周辺環境との調和と歴史の継承

 キャンパスの立地特性と周辺環境を最大限に活用することを目標に広場は設計された。例えば、外濠を流れる風をキャンパス内に引き込み、中央広場を介して靖国神社に抜けるようにした。特に夏場のキャンパス内の気温上昇を抑える効果が期待される。

 建物のデザインを一部取り入れることで、55・58年館の歴史を継承する役割も担う。具体的には、55・58年館の床石のパターンを模した石板を敷き詰めた「メモリアルコリドー」が新たに整備された。さらに、55・58年館の柱の跡には柱を見立てた椅子を置いた。広場と同時に大内山庭園も完成し、58年館竣工当時の大内山庭園の池の形を再現した。

今後の大規模工事 予定なし

本学施設保全部は、設備の老朽化に伴う改修工事は今後も引き続き行うとした一方で「2014年3月から開始された大規模工事は、今回の中央広場の竣工により完了した」と話した。80年館(図書館)などの校舎の建替えは現時点では予定されていないようだ。

(田谷泉)

取材後記

 

新キャンパス中央広場の完成によって、確かに校舎間の移動の利便性は格段に高まった。しかしながら、動線の混雑がどのくらい解消されたかについては検証できない。現在は授業のほとんどがオンラインで行われており、かつ課外活動が認められていないため登校する学生が減ったからだ。「キャンパスの軸」が本領を発揮する日はやってくるのだろうか。

(田谷泉)

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広場が見える学生ホール(富士見ゲート)=田谷泉撮影

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メモリアルコリドー=田谷泉撮影

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対策が検討されている大きな段差=田谷泉撮影

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「新中央広場 竣工は来年度

明るく一体的なキャンパスに」 https://www.hoseipress.com/20190701-5

 

「大内山への動線 大幅変更

次の動線変更は11月中旬予定」 https://www.hoseipress.com/20190701-2