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「恥を知って」ネットで話題 

苦情もとに配信 後日訂正 

2021年 9月 11日

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今年1月12日に送信された「法政大学 新型コロナウイルス感染拡大防止のための注意」 

 路上で本学学生が集団飲酒のうえ、口に含んだ酒を撒き散らしたとし、大学当局が「恥を知ってください」と警告したメールがインターネット上で話題になった。しかしこの情報は寄せられた苦情をもとにしたもので、現在も当該人物は本学学生かどうか明らかになっていない。当局は後日訂正のメールを配信した。 

 

 当局はメールで、当該学生に対し「これは本学の全ての学生の名誉を毀損する行為と言わざるを得ません。恥を知ってください」と強い文面で非難した。しかし翌日のメールで「今の段階において本学学生の行為として特定されているわけではありません」と付け加えた。本学学生生活課は取材に対し、現段階でも特定はしていないとし「書き方の問題だった。本学の学生とは特定されていませんがと書けばよかったかもしれない」と話した。 

 

 当局は学生に対し「法政大学 新型コロナウイルス感染拡大防止のための注意」のお知らせを2週間に1回電子メールで配信している。メールの内容は本学の学生センターが作成し庶務課などに確認したうえで、学生センターが配信する。 

 

 「恥を知ってください」と書かれたメールを本学学生に対して送信したのは今年1月12日。翌日の13日には「本学の学生であるとは特定されていない」と補足するメールを送信した。学生生活課は「苦情を寄せた人は『行為を行ったのは法大生だ』と話した。本学の学生がそのような行為を行ったとは書いていないが、メールを読んだ人には本学の学生がやったと受け取られたようだ。次の日、広報課に様々な問い合わせが来たので、特定には至っていないという訂正をした」と誤解を招く表現だったことを認めた。 

 

 今回の配信にいたった経緯について、他にも実際に本学学生の行為と確認された苦情が寄せられたこともあると明かした。「特定せずに公表するリスクと責任は当然あるが、そのリスクを引き受けたうえでの啓蒙活動も本学の社会的責任なのではないか」と述べた。 

 

 配信されたメールは学生がSNSに投稿したことがきっかけで、インターネット上で話題となった。これに対し学生生活課は「学生を守ることが大学の使命であるため、拡散されてしまったことは本意ではない」とし、今後拡散されないように注意をしていくと述べた。一方で「メールが注目されたことで、本学の学生や団体からほかのお知らせ配信では見られなかった反響があった」との発言があった。 

 

 メールは、本学の学生による行為であると確認できていないにもかかわらず、本学の学生が行ったと受け取られかねない文面だった。これに対し、不快に感じた学生もいるのではないか。学生生活課は「しっかりと対策を行っている学生に対しては申し訳なかった」と回答した。「学生生活課に寄せられる苦情は正直多いが、きちんと感染対策を行っている学生は当然それ以上に多い。問題が起き、苦情があったから注意をしてくださいというお知らせは大学としても本意ではない。感染者数が抑えられているため引き続き頑張ってほしいなどの前向きな呼びかけをしていきたい」                         (田谷泉) 

 

                    

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1月13日配信の法政大学 2021年1月12日配信「新型コロナウイルス感染症拡大防止のための注意」に関して 

                   学生の目 

 

 今回の大学当局によるメール配信は明らかに失敗だ。当該人物が本学の学生だったのか確認するべきだっただろう。 

1月12日のメールでは、本学の学生の行為と明確に書かれていない。しかし前後の文脈から法大生の行為だと受け取られるのは予測できたのではないか。仮に今回寄せられた苦情が誤りだったとし、法大生の行為が事実でなかったとしたら、本学の全ての学生の名誉を毀損したのは大学当局である。 

 当局は「拡散されないように注意する必要性がある」としているが、そもそも大学当局は私たち法大生が何を外部に発信するかについての管理を行う権限はない。拡散されても問題のないお知らせを発信することを心掛けるべきである。              (田谷泉)

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