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全学部で学費増額改定へ

今年度入学者から授業料2%の値上げ

本学当局は昨年12月12日、本年度(2020年度)の入学者から学費を改定することを本学公式サイトで発表した。対象はすべての学部学科で、授業料が19年度入学生に比べ約2・3~2・4%の値上げとなる。当局は、学費の増額改定について「中長期的に厳しい経営環境の中でも教学環境整備を推進するためにやむなく行った」としている。学費の増額改定は2年前にも実施されていた。

増額改定図v4_アートボード 1.png

春学期と秋学期を合わせた年間の授業料(春学期入学者)は、市ヶ谷キャンパス文系学部(国際文化、グローバル教養除く)で81万2000円から83万1000円へ1万9000円の値上げ。小金井キャンパス理系学部で114万4000円から117万2000円へ2万8000円の値上げなどとなっている。そのほかすべての学部学科でも約2・3~2・4%の増額となった。2019年度以前の入学者については、学費に変更はない。

 

当局によると、今回の学費増額改定の目的は、厳しい経営環境の中で、10年後の2030年に迎える開学150周年に向け教学環境の整備を行うため。18歳人口の減少や国庫補助金の減少傾向、低金利の常態化など、中長期的に厳しい経営環境が見込まれている中での教学環境整備となるため、やむなく値上げに踏み切ったという。当局では、150周年を迎える16年4月に策定した長期ビジョンHOSEI2030のもと、17年度には、第一期中期経営計画(18~21年度)を策定し、諸施策の取り組みを進めている。具体的な教学環境整備としては、市ヶ谷・多摩・小金井の各キャンパス環境の整備、学内情報ネットワークなどのICT環境の整備、留学制度の充実などのグローバル化推進と学生支援、奨学金制度の充実、キャリア支援の充実などが実行されており、今後も継続的に整備するとしている。

(田谷泉)

◆◇学生の目◇◆

厳しい経営環境とはいえ、政府による修学支援法の施行や高等教育の学費値下げ・奨学金制度の拡充を求める学生団体のメディア露出など、教育の格差是正に対する機運が高まっている中での学費値上げとなった。さらに本学では、学費値上げのみならず、昨年度から原則として少人数授業の廃止も実施。これについて本紙では1046・1047号で特集記事を掲載している。記事の中で本学教員は「教育の質の低下をもたらしかねない」と問題視した。学費値上げや少人数授業の廃止による影響が、新入生にとって最大限のより良い教学環境として還元されることが求められている。(田谷泉)

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