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学生発案の環境対策

グリーン・ユニバーシティの実現へ

本学は「開かれた法政21」のビジョンのもと、教育研究をはじめとするあらゆる活動を通じ、地球環境との調和・共存と人間的豊かさの達成を目指し、グリーン・ユニバーシティの実現に積極的に取り組んでいる。

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グリーン・テラスで環境センター職員、管理メンバーが植え替えを行っている様子

​本学の環境方針として、①「地球環境問題についての教育研究および啓発活動を積極的に展開する」②「省資源・省エネルギーに努める」③「廃棄物の減量化・再資源化に努める」④「自然環境の保護に努める」⑤「環境マネジメントを構築し、継続的改善に努める」という5つの行動方針がある。


本学の登録商標であるグリーン・ユニバーシティとは、今世紀にいかにして「持続可能な社会」を構築するか、そのためにどのような対策を打ち出すのか、といった社会的課題に応え得るように大学が積極的に教育・研究の方向転換を目指す姿勢を表すキーワードだ。本学は全国の総合大学の中で初めてISO14001認証を取得し、2017年度には市ヶ谷・多摩・小金井キャンパスを対象とした本学独自の環境マネジメントシステムを構築し、積極的に環境活動に取り組んでいる。


法政大学環境センターではグリーン・キャンパス創造計画を展開している。本学の環境への取り組みについて尋ねるため、環境センター職員の金子良作氏、榎本直子氏に話を伺った。計画内容は市ヶ谷・多摩・小金井キャンパスそれぞれに、教員を中心とした委員で構成された環境委員会があり、主に環境教育・研究に取り組む。各キャンパスの委員会で、まず環境方針の内容を具体化するために、三か年の環境目的・目標を策定する。その中で一か年の環境目的・目標を定め、三か年の達成目標に達成できるようにより綿密に計画を練る。環境保全委員会では各地区の環境委員会の委員長及び職員中心で用紙使用量の削減、電気使用量の削減や廃棄物削減に取り組んでいる。


本学のさらなる環境への取り組みとして、屋上緑化プロジェクトがある。屋上緑化は元来、学生主体で始まったものであり、当初から当局で進められたものではない。市ヶ谷キャンパスのボアソナード・タワー4階にはグリーン・テラスがあり、学生・職員の憩いの場となっている。また、2019年度は、外濠校舎における周辺環境との調和や気候変動の適応策としての緑化に向けて、人間や生物にとっても居心地のいい「法政大学で最愛の庭園」を目指して、バードロードを作るなど、様々な生物の憩いの場にもなるように環境が整備されている。環境センターでは屋上緑化維持管理メンバーを毎年4月に募集しており、今年は25名ほどのメンバーが登録している。また、春と秋の花の植え替えではプロジェクトメンバーを随時募集している。


取材当日は12人の参加者が花の植え替えをしており、多くの花がグリーンテラスに植えられた。近年の気候変動に対応し、花の植え方を工夫している。例えば通常ひまわりの種まきの時期は4~6月だが、気候変動に配慮し、9月初旬に種まきを行い、ひまわりの発育に影響を与えないように工夫されていた。


本学は東京都の環境保護条例によって温室効果ガスの排出規制を受けている。2030年までに2000年比30%削減を目標としている。現在は第2計画期間で基準排出量の17%削減を目標としているが、その達成を毎年達成するのは厳しい。金子氏は学生の協力が必要であると訴える。「空調でクールビズやウオームビズを徹底し、使わない教室の照明の入り切りなど学生個人で行えることはある。また、ごみの廃棄なども分別を徹底しリサイクル等にも回してもらいたい。大学では分別の基準をポスターによって張り出し、学生へのごみ分別意識向上を目指している」と語る。

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法政大学環境センターでは6月を環境月間とし、SDGs(持続可能な開発目標)をテーマにした環境講演会、人工衛星による地球環境観測を通して、地球温暖化やPM2・5をはじめとする地球環境問題に取り組んでいる、JAXA地球観測センター訪問エコツアーなどの特別企画を実施している。この他の特別企画としては、「こだわりの環境配慮行動」と「願い」を募集し、「七夕飾り」として情報ディスプレイで発表するものだ。応募者には使い捨てプラスチック削減に向けて特製えこぴょん「エコバック」が進呈される。このように環境センターでは特別企画を通して、学生に楽しみながら地球環境問題に関心を持つきっかけ作りを用意している。


地球環境問題は、教育研究活動及び大学生活における一つ一つの行動の積み重ねが影響をもたらしている。環境目標を達成するためには、学生一人一人の協力が大切だ。環境への関心がある方は一度、屋上緑化プログラムや環境センターの活動に参加してみてはどうだろうか。(浦田涼平)

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