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​【多摩】若葉台で法大生 接種予約代行

​保井ゼミ 予約代行の手法も公開

2021年 9月 11日

 本学現代福祉学部の保井・今井ゼミでは現代福祉学部教授の保井美樹(やすいみき)氏とデザイン工学部兼任講師の今井裕久(いまいひろひさ)氏が共同で指導している。4月28日には相模原市緑区若葉台地区の高齢者にゼミ生らが新型コロナウイルスワクチン接種のオンライン予約代行を行い、マスメディアにも取り上げられた。

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​地域住民で賑わう朝市。野菜に海産物、ドリップのコーヒーなど様々な商品が販売されている。=保井・今井ゼミ提供

 保井ゼミでは地域住民から相談されたものと、学生が課題発見・解決を企画するものの2種類のプロジェクトを行っている。ゼミの標語は「明日の地域を今日よりも幸せに変えたいと活動する。主体的な『暮らし手』に寄り添い、それを応援する仕組みを考え、創り出したい」。

若葉台地区での活動は2019年度より継続的に行われ、毎月2回、同地区で行われる朝市にも参加している。4月28日には地区の高齢者に対してワクチン接種の予約をオンライン会議システムのズーム上で行った。きっかけは相模原市のまちづくり団体「若葉台住宅を考える会」から、高齢の住人がウェブでの予約が上手くできないので協力してもらえないか、と依頼があったことだ。

 修士2年の山田将生(やまだまさき)さんは「拓殖大学の学生らが地域住民の予約代行を行っていた。それをズームで行えばいいのではないか」と考え、実施した。実際の予約では予約代行の待機者が多く、ズームの動作が重い、希望の集団接種会場で予約が取れなかった、等の難しい点もあったが、3年の出口綾乃(でぐちあやの)さんは「予約の仕組みがわからない高齢者やオンラインで予約できない高齢者の助けになった」と話す。

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​ペーパードリップで淹れたコーヒーを販売する学生。三崎のNPO「三崎賑わい市」と連携してカフェを出店した際には、普段の8倍を超える250名以上が訪れた。=保井・今井ゼミ提供

 保井ゼミでは6月14日に予約代行の方法をオンライン上で公開した。公開内容は事前準備から受付までの流れと、実際に使用した個人情報取り扱いの誓約書と予約代行の申込書の書式。ゼミのフェイスブックには、早速、活用したい旨の連絡があった。

全国でも5月中旬から兵庫県や奈良県の市役所で市職員や地域の大学生が高齢者に予約代行を行っている。学生による予約代行では、高齢者の個人情報はもちろん、代行する学生もトラブルから守らなければならない。今井氏は「今回の取り組みは大学としても学生を守るためにも仕組化できた」と話した。                         (西森知弘)

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​新型コロナウイルス予約のリモート代行(法政大学保井ゼミのnote)

 保井美樹(やすいみき)1991年早稲田大学政治経済学部卒、1997年米国ニューヨーク大学大学院 公共政策大学院 都市計画専攻 博士前期過程修了、2003年東京大学博士(工学)授与。本学には2004年現代福祉学部講師として赴任。2005年同学部准教授、2012年より教授。近著に『孤立する都市 つながる街』(日本経済新聞出版社、2019年)。内閣府地方創生×少子化対策検討会委員、厚生労働省社会保障審議会福祉部会委員、日本学術会議連携会員等、多数兼任。

 今井裕久(いまいひろひさ)2000年法政大学大学院工学研究科建設工学専攻終了、2007年より本学デザイン工学部非常勤講師、一級建築士事務所の株式会社プラスニューオフィスに所属し、三和物産新社屋(石川県金沢市)や第一仏光こども園(兵庫県たつの市)を手掛ける。第33回日経ニューオフィス賞中部ニューオフィス推進賞や日本建築家協会優秀建築選2019等、受賞多数。

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