【特集=本学の経済事情】FREE高等教育無償化プロジェクト

「高額な学費 当たり前だと思わないで」

国公私立を問わず学費が高騰している。その高額な学費支出に苦しむ学生が多く存在する現状に対して、高等教育の無償化や奨学金制度の改善を目指す学生グループがある。FREE高等教育無償化プロジェクトだ。

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FREE高等教育無償化プロジェクトは、すべての学生が大学や専門学校に支払う学費の漸進的な無償化と、給付型奨学金の拡大などを目指している。すべての人にとっての権利である学びが、主に経済的事情によって享受されていない現状を是正したいと考えたからだ。FREEではこれを実現させるため、学生への実態調査とその公表による学費問題の周知活動や、国・文部科学省、自治体に対する請願を進めている。 

 
FREEが発足したのは昨年の9月13日。以来学生へのアンケート調査を行い「生の声」をSNS上での発信や新宿駅前での演説などを通して伝えることで、学費に苦しむ学生の現状を訴えてきた。FREEに参加しているのは、本学を含めた約20大学のおよそ130名(内本学3名)の学生。各大学の学生や、医学生などのグループを構成し活動し、それぞれのグループは、ネットワーク型の体制で繋がっている。普段の活動であるアンケート調査には、現段階で約8000名の声が集まっており(関連図=アンケートに寄せられた法大生の声)、100名を超える各大学の教授からも活動への賛同コメントが寄せられているという。


現在FREEでは、来年度から新たに施行される予定の大学等修学支援法(※)に警鐘を鳴らしている。この法は、学費そのものの値下げには至っていない上、これにより大学独自の授業料免除枠が削減されてしまうため、現時点で数万人が受けている学費支援が、削減ないしは消滅することになるからだ。また、この新制度の財源について、今年10月からの消費増税分が充てられることについても強い非難を表明し、政府にとって教育の格差是正に関わる政策は、消費増税等のための政治パフォーマンス程度の認識であることを指摘し、批判している。


FREEに参加している本学学生は「他国では、学費が高くとも奨学金制度が充実している国もあるが、日本では充実しているとはとても言えない。また、教育への支出も自己責任論で捉える風潮がある。そのため、高額な学費のために苦しい生活を強いられている学生の中にも、学費が高いのは当たり前で、しょうがないことだと考えている学生が多い。苦しい生活を送っているにもかかわらず、学費が高いことが原因であるという事実に気づいていない学生すらいるのではないか。まずは、学費の問題と現状を広く認知してもらう必要がある。その上で、学費問題はどうせ変わらないと諦めるのではなく、改善すると信じてもらいたい」と述べた。


学生グループのFREEは、学生が支払う高額な学費を問題視し、学費の漸進的な無償化を目指している。一方で、私たちは、学生が支払った学費を財源とする教育機関の支出についても監視を行う必要があるだろう。もしも学費が無駄に使われ、授業の質が低下することなどにより、教育活動によって適切な形で還元されていない場合には、相対的に学費が高騰したとも言えるからだ。(田谷泉)

大学等修学支援法
政府は、意欲ある学生の進学を支援するため、授業料・入学金の免除または減額と、返還を要しない給付型奨学金の拡充により、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校の学費を無償化する方針を決定した。本学にも適用される。対象は、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯(年収380万円未満、家族構成により異なる)の学生。2020年4月1日施行。

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